障害者がグループホームで1日を過ごすとき、どのような流れになるのでしょうか。流れを知ることで、ご本人にできるものか想定できるようになります。

グループホームでの毎日の生活は、通っている職場(日中支援先、デイケアなど含む)の勤務時間や障害の種類によっても違いますが、共通しているところもあります。実際に自分が暮らしていけるのか、大まかに障害者グループホームの1日がどのような生活なのかが気になると思います。

重要な点はグループホームを選ぶ際に「いまの本人に普通にグループホームで行われている生活が合うものか」「どんな点がストレスや問題になると思われるのか」「そのストレスや問題へのグループホームの対応力」を確認しなければなりません。

そこで、生活全般をイメージしやすいように、起床から出勤、帰宅から就寝までの具体的な内容を説明していきます。

起床から日中までのスケジュール(6時半~9時)

まず起床から職場に出勤するまでの大切なことを説明します。送迎車で職場に通う方は、グループホームへ送迎車がくる時刻が決まっていますので、その時刻までに出勤の準備を終えていないと、送迎車が行ってしまい出勤できなくなってしまいます。

また自分で出勤する方も、皆勤手当など給料に影響することがあるのでリズムを変えないことが大切です。
特に重要なポイントが以下になります。

    • 起きる時間の注意点と目覚ましの利用。
    • リビングで朝食をとり、確実に薬を服用する。
    • 仕事(日中支援先)への身支度、髭剃りや服の選び方。

それぞれについて確認していきましょう。

起きる時間の注意点と目覚ましの利用

朝の起床には目覚ましを利用する方が多いです。障害の種類やお薬によっては朝に眠かったり体調が思わしくなかったりします。また、どうしても起きることができない場合があると思います。

例えば以下のような薬を飲んでいる方の場合、副作用に眠気や不眠などがあり起床に影響をします。

・リスペリドン(リスパダール錠、内用液)

幻覚、妄想だけでなく興奮、混乱、パニックなどさまざまに使われる薬ですが、副作用に立ちくらみ、めまい、眠気があります。

・デパケン錠(バルプロ酸ナトリウム錠)

主にてんかん、躁うつ病に用いられる薬ですが、副作用に眠気、ふらつき、頭痛、ふるえ、不眠

こうした薬を服用している場合、職員さんに伝えて食事の時間をずらしてもらうことができます。グループホームによっては「布団から起きるように部屋に入って声をかける」など、前もって本人に了解をもらい手伝うこともあると思います

お薬以外の要因で起きられない理由がある

次に、お薬以外の要因として実際に起きられない理由は、障害の種類によっても個々の方の背景によっても異なります。

・本当に体調が悪い場合や周期的な場合

精神障害者の方のその日の体調の問題は、目に見えませんので、前もってグループホームの職員さんに理解をしておいてもらわなくてはいけません。

例えば精神障害者の方に季節によっては、気温や気圧の変化で体調が悪くなるなど、ある程度前もって分かることがあります。そのような変調が起きても生活を維持していくためには、収入は減ってしまうものの、前もって職場の方に理解を頂いて「週5回の勤務を週4回にし、残りの1日は精神科のデイケアに通ってプログラムに参加する」などのようにします。

これによって自分を責めたり、精神状態が悪化し日中活動ができなくなってしまわないようにして、グループホームの職員の方などと前もって計画をします。

・病院で薬が変わった場合

薬が変わると影響が大きい場合があります。薬が変わったことで、朝起きられなくなった場合は医師に早く相談します。注意点としては、薬の影響が大きいと思われるときは医師の判断をなるべく早く貰うようにして、薬の飲み方は自分で勝手には変えないようにします。

・職員さんへの甘えの場合

環境の変化や幼少期の家庭でのかかわり方を思い出し、極端には死んだふりや発作を起こすなど、様々あります。

※共生社会実現に必要な実際の支援をお伝えしたいがため、本稿をテーマとして取り上げました。

「職員さんに自分が大変な状況だということを見て貰えれば、もっとかかわって貰えるのではないか?」と本人が意識して、または意識することのないままグループホームの中で職員さんが慌てる状況をつくってしまいます。

このように、社会的生活の場では不適切な形でかかわりたいという気持ちになっていると思われる場合、職員さんは厳しくも愛情をもって自立心を養ってもらえるように声をかけます。

ただし甘えではなく、てんかん発作などの症状のある方は医療的な対処が必要なことがあります。その場合は前もってグループホーム側で対応を決めておき、安全に配慮し当日はお仕事を休むことになります。

このような症状があり得る方は特に、急な日中の付き添いにも対応して貰えるグループホームかを十分確認をしておかなくてはなりません。

リビングで朝食をとり、確実に薬を服用する

起床後、障害者グループホームでは朝食が提供されます。食事は自分で食べる方もいますが、大体は用意された手作りの食事が多いです。以下のような食事が提供されています。

なお通勤準備までの朝の支度に合わせて6時半~7時に食事を出すグループホームが多いです。平日は送迎の方は送迎車がくる時刻、自分で出勤する方は出社時刻に合わせて交通機関に間に合うよう出勤できるよう準備をする必要があります。

そのため注意点としては、できるだけ体のリズムを作るため同じ時刻に食事を食べ、出社できるようにする必要があります。

加えて朝食時に薬が処方されている場合は、忘れずしっかり飲む必要があります。日中の仕事に影響するので特に重要です。

ここはグループホームに入るにあたって、支援としての声掛け、薬の預かりに対応できるグループホームなのかを判断をしなければならないポイントです。

仕事への身支度、髭剃りや服の選び方に注意する

出勤時に必要なことは整容行為、また服を部屋着から着替えてからの出勤時の身支度です。

精神障害者の方はご自分で可能な方が多いですが、知的障害者の方にはこだわりがある場合があります。髭剃りについても、職場は社会の場ですので「身だしなみが崩れている」と思われてしまわないよう注意が必要です。また、服選びで職員さんの手をかりる必要のある方もいます。

このとき、自分の好きな同じ服だけを繰り返し着てしまうと清潔に過ごすことができませんし、季節によって半袖、長袖など風邪をひいてしまいます。

そこで、これらに対応可能なグループホームなのかをきちんと判断をしなければいけません。

帰宅から夕食迄のスケジュール(16時~18時)

帰宅から夕食までに行う入浴や洗濯について

職場から帰宅した後、夕飯迄の間にはどのような点に注意が必要なのでしょうか。帰宅から夕食までの間に大切なことは主に以下になります。

      • お風呂に順番を守って入る
      • 自分の服の洗濯をする

それぞれの注意点を確認していきましょう。

お風呂に順番を守って入る

個室に水回りのついている1Rタイプのグループホーム以外では、定員によりますがお風呂、トイレは1つか2つの備え付けになります。ですので、注意点はお風呂の時間を順番通りに、他の利用者さんとトラブルにならないようにすることです。

このとき、グループホームの職員さんに声をかけてもらうまで、順番が来るまでに準備をしておく必要あります。

お風呂の時間までは自室でくつろいだり、リビングでテレビなど見て過ごします。お風呂の順番は職員さんに声をかけて貰いますが、中にはグループホームの利用者の方同士でやり取りしていることもあります。また、お風呂に必要なボディソープ、シャンプー、あかすりなどを用意します。

注意点としては、自分に必要なものは自分の部屋に置いて、使っていただくホームが多いので、使いすぎ等は自分の責任ということです。こういう点で自分の生活費に影響してしまうので注意が必要です。

自分の服の洗濯をする

服に関してもおなじく洗濯機の数が1台か2台の事が多く、洗濯にも利用者さんの順番があります。このときに注意しなくてはならない点は「洗濯物の取り残し」「洗剤の入れすぎ」です。

洗濯の取り残しがあると、次の洗濯の番の利用者さんと洗濯物が混ざってしまうため注意が必要です。また、洗剤は入れすぎるとお金もかかり、また配管のトラブルにもなりますので十分に確認をします。

なおハンガーなどに干す際に、きちんと干せているか不安な方もいると思います。その場合は、職員さんに干し方を教えて貰い少しずつ自分で干せるようにしていきましょう。重度の障害のかたでも少しずつ身に着けていけば大丈夫です。

この点も、適切な指導をグループホームが行える体制があるのかが重要なポイントです。

バランスのとれた夕食をとりお薬も確実に飲む(18時~19時)

18時頃に夕食になります。手作りの食事のホームが多く、夕食は肉、魚、野菜などバランスの取れた食事が提供されます。また、食事を食べる際の介助がないことが多いですが、場合によっては刻み食の対応をするホームもあります。

グループホームの食事は栄養士等が献立をつくりバランスを考えて作っていますので、健康に過ごすのにベストな食事になっている事が多いです。好みで偏食になってしまう事は避けるようにします。

どうしても障害の特徴で特定のものしか食べてこなかった場合もありますが、大前提はみんなと一緒の物を食べるようになることです。場合によっては医師と相談してきちんと計画を練ります。

また夕食後の薬は朝と同じように、忘れずに確実に飲みます。

夕食後からリビング消灯までを過ごす

夕食後から消灯までは家庭の中と同じように、1日で一番ほっとする時間です。リビングでお茶を飲みながら、今日あった事を職員さんと話したりテレビを見たりして過ごします。もちろん、自分の部屋に戻ってゲームなどを楽しんで過ごしても大丈夫です。

ホームによっては食後にレクリエーションをすることもあります。他に、みんなでリビングの片づけをしたり様々な取り組みをしたりするホームもあります。

ただ共同生活の場で他の利用者さんの気持ちになり、全員の時間やルールを守れるかはグループホームに入居できるかに影響するため重要なポイントです。また、夜間は近隣の住宅の方も静かにしていますので、苦情につながらないように注意が必要です。

また消灯時間は翌日の仕事に影響するので、きちんと守ることが大切です。他には、洗濯が残っている方はリビングの消灯までの間に洗濯を終えます。騒音が出るので消灯後に洗濯を行うことは難しく、きちんと終えることが大切です。

さらに、眠前の薬を飲む必要のある方は21時頃に服用します。特に夜間の不眠・不安に対応するために、服薬がある方は確実に飲むようにします。

夜間から翌朝までは不眠と安全面に注意する

21時以降はリビングを消灯します。それ以後は、自室に戻り休みます。テレビや見たりラジオを聴いたりして過ごす方が多いです。夜更かしを避け、深夜の動画視聴やゲームはなるべく控え、翌日の朝に起きられるように床につきます。

リビング消灯後、重要なことは翌朝まで十分に睡眠をとることです。障害者の方は仕事に通っていても疲れやすい方が多いです。このため十分休息をとれるように、睡眠時刻を決めておく必要があります。

なお、障害者の方は体温調節にも影響があることもあります。そのうえで、障害によっては夏場にエアコンの設定が暖房になっていたり、冬場に冷房にしてしまったり本人が判断できずに危険な場合もあります。

さらに冬季の感染症には湿度という安全面にも注意が必要です。

このとき、夜間に職員さんのいるグループホームでは、22時以降に巡回があります。どうしても眠れない場合、他の利用者の方もいるので夜間に話を続けることはできませんが、どうしても難しい場合は不安がおさまり眠れるように職員さんに例えばイライラしていること、困っていることを相談できます。

この点も夜間の職員さんが対応できるグループホームなのか、確認が必要なポイントです。

まとめ

障害者グループホームの生活で大まかに「いまの本人に普通にグループホームで行われている生活が合うものか」「どんな注意点があるのか」「どんな点がストレスや問題になると思われるのか」ということが分かるように、生活全体の流れを記載しました。

その上で重要な点は、「どんな支援を受けることができるのか」という障害者グループホームの対応力を確認することです。

建物の新しさや入居費用など目に見える部分だけで判断してしまうと、入居後に「本人の障害特性にはあまり合わない環境だった」「本人に必要な支援が提供できていない」といったことが実際に起こることがあります。

その場合は本人はストレスを抱え、さらにトラブルへ発展することがあります。そのため、本人にとって無理を強いることがないように上記のような生活面での注意が必要なポイントに対して、検討中の障害者グループホームがどのように対応をしているのか、十分確認してから入居するようにしてください。