障害者グループホームを検討するとき、障害者の本人が気になるポイントに「自宅のような自由な行動ができないのではないか?」があります。

グループホームでは基本的に外出は自由です。しかし、重要なのは「障害者本人の安全を守れるのか」「本人の納得が得られるか」という視点でグループホーム側が配慮をする必要がある点です。

そのためには「食事やお風呂、洗濯の時間が本人の外出のペースに合いそうか?」「外出できない時はどんなケースか」「余暇活動や外出支援があるか」についてチェックしましょう。これによって、グループホームでの外出自由度や本人へのストレスが変わります。

外出では「本人のペースがグループホームの共同生活のルールに合うか」について注意しなければなりません。そこで、外出で守るべきルールについて解説していきます。

グループホームは自分の家だが、外出のルールは守る

障害者グループホームでは大まかな外出に対する考え方があります。それを踏まえて「なぜ外出のルールがあるのか」「なぜ外出のルールを守る必要があるのか」という点を解説していきます。

グループホームの特徴は住民票も置ける「自分の家である」という点です。このことから、本人の意思を大切にして「外出するときは本人の自由にできる」というのが基本的な考え方です。そのため、施設のように「自分の意思では外出することもできない」という制約はありません。

これが原則なのですが、一方で多くのグループホームでは様々な障害を持つ方の住む場所です。そのため運営の面でルールを設けていることがあり、その点をきちんと確認して「自分の生活リズムに影響しないか」「納得することができるか」がポイントになります。

グループはいつでも外出自由というわけではない

グループホームは外出に基本的な制約はありませんが、安全や他の利用者の方のことも考えて、外出の際にグループホームの職員さんに伝えていおかなくてはならないことがあります。伝えるべき点は以下になります。

  • 外出は消灯までを目安にして、お風呂・洗濯の時間に注意する
  • 食事の要否をきちんと伝える必要がある

このようなルールは元々本人の安全や生活リズムを守るためにあります。本人は当日の気分で予定を変えたくなることもあると思いますが、きちんとルールを守ることが本人の調子を崩さないために重要です。

例えば何度も約束を守れない場合は、「バスの時間が違いいつもの交通機関で帰ることができなくなった」などその方の外出時に危険が伴うことにもつながるため、特別にルールを設けることがあります。職員さんとの信頼を作るように本人も意識して守るようにしなくてはなりません。

・外出の時間帯は消灯までを目安に、お風呂・洗濯の時間に注意する

外出するときは「消灯する21時ごろまでに帰る」のであれば基本的に自由です。例えば仕事から帰った後に「ドラッグストアに行ってくる」「公園に行ってくる」など気分転換のために外出で仕事のリセットを行うことが日課になっている方もいますが、こういった事に制約はありません。

ただし、グループホームでは共同生活を営み生活の訓練をするという基本的な考え方があることに注意が必要です。他の障害者の方に迷惑がかからないように「食事の時間」と「お風呂や洗濯の時間」に影響がでないよう注意をします。


なお1Rタイプのグループホームの場合、自室に備え付けのお風呂や自分の洗濯機があります。その場合、自分でお風呂や洗濯の管理をしなくてはならないものの、消灯はあってもお風呂や洗濯の順番といった制約が少なくなります。

ただしその場合でも障害者の本人の勝手にさせているわけではなく、社会生活を営む上でグループホームが障害者本人の「安全面、生活面を守っていける支援を行っているか?」といった確認をしなければいけません。

・食事の要否をきちんと伝える必要がある

18時頃に夕食が提供されますが「ある程度、時間が異なっても個々の対応にも優先する」グループホームであれば、作り置きを後で食べることが可能です。
なお「本人の家族が集まるので食事が不要」という場合には、注意が必要です。食事が不要になることを事前にグループホームの職員に伝える必要があります。

伝えていないと食事の準備がされ食費が発生してしまいます。ホームによっては「食事の要否の連絡は5日前まで」などとルールを定めているところもあり、当日のキャンセルにお金がかかります。そのためスケジュールを前もって伝えおかなくてはなりません。

外出には外出届を使い行く先と時刻を伝えておく必要がある

障害者の方は経済的な制約がある方が多く、携帯電話を持っていない場合があります。そのため外出の際に特に重要なことは「行く先と帰宅時間」を伝えましょう。

グループホームに外出時のルールが用意されていると思いますが、「安全を守れるルールになっているのか」という点の確認が必要です。例えば以下のように、外出時にはグループホームの中のホワイトボードへの記入や、外出届などで行く先と時刻を伝えます。


もし予定の時刻を過ぎても帰宅が無い場合、事故にあっているかもしれないためグループホームの職員が捜索することになります。そういった場合に備え、外出先で通行人や警察の方に身元を説明できるよう、障害者本人にグループホームの所在地と連絡先を記載したヘルプカードを持っていただくこともあります。

例えば、以下のようなカードです。

こうしたカードがあればたとえ本人が迷子になってとしても、グループホームに連絡が入り安全に保護できる可能性が高まります。

その他の外出の制限と感染症対策について

なおグループホームはリビングなど同じの空間を共有しているので、インフルエンザなどの感染症の方が1名発生すると、感染が蔓延し大きな問題となることがあります。

そのため市中にインフルエンザなどの感染症が蔓延している時期は、感染症拡大が終息するまで外出を避けて頂く場合もあります。このような場合、外出できないストレスに対し「グループホーム内での余暇活動」など、グループホームでの対応をどのように行っているか確認する必要があります。

 

例えば、以下のような室内でできる調理など費用をあまりかかけず楽しめる活動を行います。

これは土日の昼食に皆さんでお好み焼きケーキを作って盛り付けた場面です。このようにささやかな室内活動でも「自分たちの手で」取り組むことは重要で、外出ができないストレスを軽減することができます。

外出が難しい方は移動支援サービスを利用する

一方、1人では外出困難な障害者の方もいます。そうした人が利用できるサービスに移動支援サービスがあります。

移動支援は外出や買い物など余暇活動のためヘルパーさんを利用し、必要な移動の介助の提供を受けるサービスのことで、障害福祉サービスの受給者証の欄に支給量(使える時間のこと)が記載されています。

実際に移動支援を使うには、移動支援サービスを行う事業所と契約を結ばなくてはなりません。「どこに移動支援サービスの事業所があるのか」「どうやって契約すればいいのか」については相談支援事業所や市役所に問い合わせることになります。

ただし、注意点は市役所・行政から「1人では外出できない」と判断されない場合、障害福祉サービスの受給者証に支給されることはなく、移動支援を利用できません。

また、移動支援サービスを利用する際には費用の面も重要です。「ヘルパーさんの分の交通費も障害者本人の自費になる」という点は負担が大きいです。1か月に複数回利用することであっても、経済的な余裕が持てる方に限られる点に注意が必要です。

移動支援を使えない場合も、外出ではなくイベントを楽しんでもらう

このように本人が希望していても費用面で移動支援サービスを使えなかったり、移動支援サービスの事業所が見つからなかったりすることがあります。そのような場合、ボランティアを頼ったりお金をためたりしつつ、外出日を絞って障害福祉サービス以外の援助を受けられるときに外出することが一般的です。

グループホームは本来、買い物の同行などはサービスに含まれていませんが、ホームのイベントとして外出活動を行っている場合があります。例えば以下は、5月の連休に職員さんの畑に遊びにいったときの様子です。

繁華街にはいけませんが、みんなで慣れ親しんだ職員さんの所有する畑で気分転換をさせてもらいました。

このような「グループホームでの余暇活動の楽しみ」はグループホームに入ってよかったと感じるポイントになります。毎週というわけにいかないことも多いものの「本人の余暇活動をよりよく過ごしてほしいというグループホームの取り組みがあるか?」は本人の生活の質に大きく影響するため、確認が必要なポイントです。

まとめ

障害者グループホームでの外出についての考え方や注意点について記載しました。大切なのは「グループホームは基本的には外出自由」であるものの、「食事やお風呂など消灯時間を守って生活できるようにしなくてはならない」「その理由は、本人の安全や生活リズムを守るため」ということです。

障害者グループホームは様々な障害に対する支援に必要な環境であるため、ルールによって外出できない場合があることを単にデメリットと考えてはいけません。どちらかというと「配慮のない外出自由のグループホームはかえって良くない」ことを理解する必要があります。

その上で、本人の希望する外出に対応できるグループホームであるかについて、以下の点に注意して確認をしましょう。

  • 本人の身になって安全を守れる
  • 自由な外出と生活の訓練を両立できる環境がある
  • 外出が出来ないときも楽しめるように配慮している

これらについて、検討中のグループホームの様子を確認しましょう。このように「障害者本人がどう感じるかを理解しつつ、外出への配慮をしているか?」という視点でグループホームでの外出に関する考え方を確認するようにしてください。